Nov 16, 2011

メモリリークチェッカー

c で daemon 動作するサーバを作っていると malloc (3) などで動的に確保したメモリの free (3) 忘れによる いわゆるメモリリークを防ぐ事が非常に重要になってくる。
この様なメモリリークを防止するために役立つ 様々なツールが世の中には沢山存在しており それぞれ非常に有用ではあるのだが、 いざ利用しようと思うと割と面倒な作業が発生したり、 自分の求めている機能に対して明らかにオーバースペックだったりするので、 自分の用途に合わせて簡単に使える『俺様ツール』を作ってみた。

動作原理は簡単で malloc (3) や free (3) したアドレスを ログに出力して、 後からログを解析してメモリの確保と解放が対になっていない部分を 抽出するだけである。
そのためにまずは元となるソースコードを修正して、 malloc (3) や free (3) を独自に作成した wrapper 関数に置換えて 確保、解放したアドレスをログに出力する機能を組込む必要があるのだが、 malloc (3) などはエラー処理を含めて共通化するために あらかじめ wrapper 関数化されている場合が多いと思うので、 この部分はフォーマットを決めるだけで割りと簡単に追加できると思う。
今回は syslog (3) を利用して malloc (3)、strdup (3)、 free (3) で確保/解放するアドレスを出力した。

  1/*
  2 * malloc() の wrapper
  3 */
  4void    *mymalloc(size_t size)
  5{
  6
  7    void    *p;
  8
  9    if(!(p = malloc(size)))
 10        /* エラー処理 */;
 11    syslog(LOG_DEBUG, "malloc: %p\n", p);
 12
 13    return(p);
 14
 15}
 16
 17/*
 18 * strdup() の wrapper
 19 */
 20char    *mystrdup(const char *s)
 21{
 22
 23    char    *p = NULL;
 24
 25    if(s){
 26        if((p = strdup(s)))
 27            syslog(LOG_DEBUG, "strdup: %p\n", p);
 28        else
 29            /* エラー処理 */;
 30    }
 31
 32    return(p);
 33
 34}
 35
 36/*
 37 * free() の wrapper
 38 */
 39void    myfree(void *p)
 40{
 41
 42    if(p){
 43        free(p);
 44        syslog(LOG_DEBUG, "free: %p\n", p);
 45    }
 46
 47}
    

次に出力されたログの解析処理であるが、 確保したメモリのアドレスをキーとしたハッシュテーブルを利用したいので 入力行の解析やハッシュテーブルが簡単に利用できる言語として 今回はコマンドライン版の php (1) を利用してみた。
もちろん awk (1) を駆使したり perl (1) を利用しても問題ない。

  1<?php
  2    /*
  3     * Copyright (c) 2011 Mitzyuki IMAIZUMI, All rights reserved.
  4     *
  5     * $Id: memcheck.php 1677 2011-10-12 06:58:03Z mitz $
  6     */
  7
  8    /* 冗長指定 */
  9    if($argv[1] == "-v"){
 10        $verbose = 1;
 11        array_shift($argv);
 12    }
 13
 14    if($fp = fopen($argv[1], "r")){
 15        $line = 0;
 16        while($buf = fgets($fp, 1024)){
 17            $buf = ltrim($buf);
 18            $line++;
 19            /*
 20             * malloc か strdup か free を含む行の場合
 21             * コマンドを配列 $p[0] に、アドレスを配列 $p[1] に格納する
 22             */
 23            if(preg_match("/^(malloc|strdup|free):\s(.*)/", $buf, $p))
 24                /* 解放処理 */
 25                if($p[1] == "free")
 26                    /* 確保済みテーブルに解放アドレスが存在する場合 */
 27                    if($alloc[$p[2]]){
 28                        if($verbose)
 29                            printf("%s: % 8d -> % 8d\n", $p[2], $alloc[$p[2]], $line);
 30                        $alloc[$p[2]] = 0;
 31                    }
 32
 33                    /* 確保済みテーブルに解放アドレスが存在しない場合 */
 34                    else
 35                        printf("%s: unknown free at % 8d\n", $p[2], $line);
 36                else
 37                /* アドレスをキーとしたハッシュテーブルに行番号を格納 */
 38                    $alloc[$p[2]] = $line;
 39
 40        }
 41        fclose($fp);
 42
 43        foreach($alloc as $k => $v)
 44            if($v)
 45                printf("%s: NOT free (% 8d)\n", $k, $v);
 46    }
 47?>
    
このスクリプトを実行する事により malloc(3) もしくは strdup(3) で確保したメモリが解放されていない場合、 もしくは確保していないメモリを解放した場合が簡単に発見可能である。

これらは自分が必要とする機能のみを簡単に実装したものであり、 例えば解放していない事を意図しているメモリまで警告されてしまう等、 汎用的に使える事を目指したツールでは勿論ない。 ただ、日頃発生しうる面倒な作業がちょっとの工夫で 多少なりとも楽になるだろう例の一つとして公開してみた次第である。

2011/11/28 追記

awk (1) 版の方が汎用的なので簡単に作成してみた。 処理内容は上記 php (1) 版と同じである。
  1#!/bin/sh
  2
  3if [ "${1}" = "-v" ]
  4then
  5    verbose=true
  6    shift
  7fi
  8
  9awk '
 10    /^(malloc|strdup)/{
 11        alloc[$4] = NR;
 12    }
 13    /^free/{
 14        if(alloc[$4]){
 15            if("'${verbose:-false}'" == "true")
 16                printf("% 5d %s: % 5d\n", NR, $4, $alloc[$4]);
 17            alloc[$4] = 0;
 18        }
 19        else
 20            printf("% 5d %s: unknown free.\n", NR, $4);
 21    }
 22    END{
 23        for(i in alloc)
 24            if(alloc[i])
 25                printf("% 5d %s: NOT free.\n", alloc[i], i);
 26    }
 27' ${1} | sort ${2}
    

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