2013/11/23

Exif 情報から GPS の緯度/経度情報を削除する

例によって こちら のブログをネタに 他人の褌で相撲を取る記事です。
元記事では Exif 情報を操作する時に、 バイナリを直接操作するのではなく od (1) を利用してバイナリをテキスト型式に変換し、 テキスト操作した後で再度バイナリ型式に戻すという 正統的な手法でのアプローチをしています。
しかし dd (1) を利用すると シェルスクリプトからバイナリを操作できるので、 バイナリ型式の画像を直接操作してしまうというアプローチを取ってみます。

画像ファイルに格納されている Exif 情報を簡単に解析して GPS 情報を格納している領域 (GPSInfoIFD) から 緯度/経度情報だけをゼロに置換する処理となっています。

流石にシェル芸では無理なのでシェルスクリプトです。

  1#!/bin/sh
  2
  3#
  4# Endian を考慮して 4 バイト数字を取得する
  5#   一度 od(1) で 16 進数に変換しバイト並びを修正した後に 10 進数に変換する
  6#
  7#   $1: ファイル
  8#   $2: オフセット
  9#
 10get4Byte()
 11{
 12
 13    if [ ${endian} = "MM" ]
 14    then
 15        printf "%d" `dd if="${1}" bs=1 skip=${2} count=4 2> /dev/null | od -x |
 16            sed -n "s/^0000000 *\(..\)\(..\)[   ]*\(..\)\(..\)/0x\2\1\4\3/p"`
 17    else
 18        printf "%d" `dd if="${1}" bs=1 skip=${2} count=4 2> /dev/null | od -x |
 19            sed -n "s/^0000000 *\(..\)\(..\)[   ]*\(..\)\(..\)/0x\1\2\3\4/p"`
 20    fi
 21        
 22
 23}
 24
 25#
 26# Endian を考慮して 2 バイト数字を取得する
 27#   一度 od(1) で 16 進数に変換しバイト並びを修正した後に 10 進数に変換する
 28#
 29#   $1: ファイル
 30#   $2: オフセット
 31#
 32get2Byte()
 33{
 34
 35    if [ ${endian} = "MM" ]
 36    then
 37        printf "%d" `dd if="${1}" bs=1 skip=${2} count=2 2> /dev/null | od -x |
 38            sed -n "s/^0000000 *\(..\)\(..\)/0x\2\1/p"`
 39    else
 40        printf "%d" `dd if="${1}" bs=1 skip=${2} count=2 2> /dev/null | od -x |
 41            sed -n "s/^0000000 *\(..\)\(..\)/0x\1\2/p"`
 42    fi
 43
 44}
 45
 46#
 47# 任意の長さの文字列を取得する
 48#
 49#   $1: ファイル
 50#   $2: オフセット
 51#   $3: 文字列長
 52#
 53getString()
 54{
 55
 56    dd if="${1}" bs=1 skip=${2} count=${3} 2> /dev/null
 57
 58}
 59
 60#
 61# GPSInfoIFD の解析を行い緯度/経度情報をクリアする
 62#
 63#   $1: ファイル
 64#   $2: GPSInfoIFD のタグ数
 65#   $3: GPSInfoIFD のオフセット位置
 66#
 67gps()
 68{
 69
 70    local   i   j   offset  tag val
 71
 72    i=0
 73
 74    while [ ${i} -lt ${2} ]
 75    do
 76        # GPSInfoIFD のタグ情報
 77        offset=`expr ${3} + 14 + \( ${i} \* 12 \)`
 78        tag=`get2Byte "${1}" ${offset}`
 79        # タグ種類
 80        #   2: 緯度
 81        #   4: 経度
 82        if [ ${tag} -eq 2 -o ${tag} -eq 4 ]
 83        then
 84            # データの数とデータのオフセットを取得
 85            # 緯度/経度情報は値のタイプに RATIONAL(8バイト長) が指定されている
 86            num=`get4Byte "${1}" \`expr ${offset} + 4\``
 87            val=`get4Byte "${1}" \`expr ${offset} + 8\``
 88
 89            # 情報を削除するためにオフセットから 8 * データの数をゼロクリア
 90            dd if=/dev/zero of="${1}" bs=1 conv=notrunc \
 91                seek=`expr ${val} + 12` count=`expr ${num} \* 8` 2> /dev/null
 92        fi
 93        i=`expr $i + 1`
 94    done
 95
 96}
 97
 98#
 99# 0th IFD データの解析処理
100#
101#   $1: ファイル
102#   $2: 0th IFD のタグ数
103#
104ifd()
105{
106
107    local   i   offset  count   position
108
109    i=0
110
111    while [ ${i} -lt ${2} ]
112    do
113        # 0th IFD のタグ情報
114        offset=`expr 22 + \( ${i} \* 12 \)`
115        # GPSInfoIFDPointer の場合はオフセットとタグ数を取得
116        if [ `get2Byte "${1}" ${offset}` -eq 34853 ]
117        then
118            position=`get4Byte "${1}" \`expr ${offset} + 8\``
119            count=`get2Byte "${1}" \`expr ${position} + 12\``
120
121            gps "${1}" ${count} ${position}
122        fi
123        i=`expr $i + 1`
124    done
125
126}
127
128# 処理開始
129if [ "`getString "${1}" 6 4`" = "Exif" ]
130then
131    endian=`getString "${1}" 12 2`
132
133    ifd "${1}" `get2Byte "${1}" 20`
134fi
    

Image: before.jpg

処理前
Image: after.jpg

処理後
GPS 情報が削除されており緯度/経度がそれぞれゼロになっています。

2013/11/11

grep -o

少々前の話ではあるが、某ブログ にて grep -o について言及する記事が出ていた。
非常に便利そうな機能ではあるのだが、 POSIX (IEEE Std 1003.1, 2013 Edition) 準拠ではなく独自拡張の機能の様なので POSIX の範囲での実現方法を考えてみた。

例えば

$ grep -o 'href="[^"]*"'
    
$ sed -n 's/.*\(href="[^"]*"\).*/\1/p'
    
で代用可能なので、
$ cat << EOF | sed -n 's/.*\(href="[^"]*"\).*/\1/p'
<!DOCTYPE html>
<html>
    <body>
        <a href="http://aho.aho" target="_blank">あほ</a>
        <img src="aho.jpg" alt="aho">エロい画像</a>
    </body>
</html>
EOF
href="http://aho.aho"
    
という結果が得られる。
素晴らしい! POSIX 準拠なコマンドで POSIX 非準拠をぶち破ったぞ!
論破! 論破! 論破!

ただし grep (1) の -E オプションは POSIX に準拠しているが、 sed (1) の -E オプションは POSIX に定義されていないので、
$ grep -o -E '(src|href)="[^"]*"'
    
には対応できない。
FreeBSD の sed (1) など -E オプションが利用できれば
$ sed -n -E 's/.*((src|href)="[^"]*").*/\1/p'
    
とする事で対応できるのだが、
$ cat << EOF | sed -n -E 's/.*((src|href)="[^"]*").*/\1/p'
<!DOCTYPE html>
<html>
    <body>
        <a href="http://aho.aho" target="_blank">あほ</a>
        <img src="aho.jpg" alt="aho">エロい画像</a>
    </body>
</html>
EOF
href="http://aho.aho"
src="aho.jpg"
    
POSIX の範疇を逸脱した時点で grep -o を使えば良いとなってしまう。

残念っ!

2013/11/23 追記

頑張る必要は全くありません(笑)
普段は GNU の便利なオプションも使っていますし、 POSIX 準拠していないコマンドやオプションも使ってます。
純粋に楽しいからやってるだけです。


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